妊娠中は色々なトラブルがあったり、出産に対して不安などはつきものですが、私が初めて妊娠したときに一番不安な気持ちになったのがHIV検査です。
妊婦のHIV検査は本人の同意の元検査することとなっていて、ほとんどの妊婦が受けているようで、私もなんの不安もなく受けたHIV検査でしたが、なんと「陽性」が出てしまったのです。
結果的に言うと、しっかり調べて「陰性」ということでした。つまり「偽陽性」ということだったんですが、そのときのお話をしたいと思います。
【妊婦のHIV検査の偽陽性について】
妊娠中はHIV検査をすると「陽性」と出てしまうことがあるようですが、その原因ははっきりとは解明されていないそうです。
妊婦がHIV検査の第一次検査で「陽性」になる確率は10000人に約30人だそうです。(多いような少ないような...)
その中で実際にHIVに感染しているのは10000人に1人だそうで、それ以外はは第二次検査で「偽陽性」と判定されるそうです。
【HIV検査で陽性判定】
私が大体妊娠3ヶ月くらいのときのことです。
いつものように妊婦健診に行くとスタッフさんに「今日はHIV検査があります」と言われ、私はHIVとは全く無縁だと思っていたので、何の不安もなく検査を受けました。
その日の健診は特に異常もなく順調で、結果は数日後に出るとのことだったので、そのまま帰宅したのですが、数日後産婦人科から電話がかかってきました。
「先日のHIV検査で陽性がでてしまいました。妊婦さんはごくまれに間違って陽性が出てしまうことがあるので、再検査のためになるべく早く病院に来てください」
とのこと。
その言葉を聞いた私は心臓がドクンドクンいって、頭の中が真っ白になりました。
とりあえず、その日は用事がなかったので、電話を切った後すぐに夫に連絡をいれて、一人で病院に向かいました。
病院に向かうバスの中で
「HIVとは無縁だと思っていたけど可能性が0なわけではない。もし本当に陽性だったらどうしよう。」という考えばかりが頭の中をぐるぐるしていました。
【再検査の不安】
不安な気持ちで病院につくとスタッフさんが「ごめんね〜陽性出ちゃったみたいで!妊婦さんはたまにあることなんだ〜とりあえずもう一回採血しますね」と採血をしてもらいます。
陽性が出た割に明るい喋り方だったので、
「あっ妊婦さんにはよくあることなのかな?」とちょっと不安が軽くなりましたが、それは一瞬でやはり気持ちは落ち込んでいきます。
病院に向かうときに
「本当に陽性だったら赤ちゃんはどうなっちゃうんですか?」
「夫も検査に来た方がいいんですか?」
「私はこの先どうしたらいいんですか?」
と聞きたいことはたくさんあったはずなのに、怖くて聞けませんでした。
そして、また数日後結果が出たら連絡をするとのことで帰宅しましたが、帰ってからは何もする気が起きず、ひたすらHIVについてや、HIVだった場合子どもへ感染するのか、どうやって育てていくのかを検索してしまいました。
しかし、そこには良いことは書いておらず、どんどん不安が増して怖くなりました。
そんなとき、夫が私を気遣って会社を早退して帰ってきてくれたのです。
そのときはすごく嬉しかったです!
ただ、「大丈夫だよ」とは言ってくれるものの夫もとても心配していたし、落ち込んでいました。当たり前ですよね。
もし、私が陽性だった場合、夫にも感染しているはずなんだから。
再検査はしたけど、結果が出るまで数日、こんな状態でいるのは精神的に耐えられないと思い、色々調べてみたところ、市の保健センターでHIV検査をやっていることがわかりました。
しかも、その日程が次の日ということで、再検査の結果を待たずに、市のHIV検査に夫婦で行ってみることにしたのです。
【市のHIV検査に夫婦で行く】
保健センターにはバスで向かいましたが、やはり前夜は不安と恐怖であまり眠ることができず、それは1日経っても変わりありませんでした。
保健センターに着くと、待合室には若い女性や年配の男性と年齢問わず数名が椅子に座っていました。
私たちもさっそく受付をして採血をします。
その後は結果が出るのに少し時間を要するため、外に散歩に行きコンビニに寄って、また保健センターに戻ってきました。
保健センターに戻ってきた頃には、待合室には誰もいなくなっていて、夫婦2人だけになり、ほとんど沈黙。
真夏で窓の外でセミの鳴いている声が今でも耳に残っています。多分あの情景は一生忘れないと思います。
しかし、不思議と私はそのとき、もう吹っ切れたというか覚悟を決め、不安や恐怖はほとんどありませんでした。
もし本当に陽性だったとしても、子どもを産んで夫婦二人で頑張って育てて生きていく!
その気持ちの方が強くなっていました。
そして、ついに名前が呼ばれ夫婦別々に個室に通されます。
そして結果の書かれた紙を渡されるのですが、もう不安もないので迷いなく紙を開きます。
「陰性」
あれだけ悩んで、怖かったのに、その文字を見て私は「やっぱり」と思いました。笑
もちろん夫も「陰性」二人でほっとして帰宅しました。
本当に本当に「偽陽性」で良かった!
そして、「もしかしたら本当に陽性かも」と思いながら再検査の結果を待たずに保健センターで検査して良かったと思いました!
【再検査のトラブル】
保健センターで「陰性」と出たので、もう全く不安もなく再検査の結果を待っていたら、再検査の数日後に産婦人科から電話がかかってきました。
私はてっきり再検査の結果が出たのだと思って電話をとったのですが、違ったんです。
「実は前回のHIVの再検査で採血をしたと思うんですが、そのときの血液を入れる容器を間違えてしまいまして、もう一度採血に来てもらってもいいですか?」
この話を聞いて私は正直「え?」と思いました。
電話ではとりあえず「わかりました。」と言って、また採血をする日程を決めて電話を切りましたが、また採血するということは、さらに結果が出るのに数日かかるということですよね?
私たちはもう保健センターで検査を受けて陰性だとわかっているからいいものの、保健センターに行っていなければ、あの不安と恐怖を感じながら、また何日も過ごさなければいけないんです。
精神的にかなりきついです。私だけじゃありません。家族もです。
赤ちゃんにだって悪影響です。
なのに病院からは「すいませんでした」の謝罪の言葉は一切なく、私は憤りを感じました。震えるほどの怒りです笑
そうなると私はもう黙っていられる性格ではありません!笑
もう一度採血に行った際、思っていることを全てぶつけました。
「初めての妊娠でHIV検査で陽性が出たときの気持ちわかりますか?それを軽く容器を間違えたので来てくださいっておかしくないですか?まず謝罪ですよね?
こっちは本当に陽性だったらどうしようって不安と恐怖で夜も眠れなくて、精神的にもおかしくなりそうだったのに、この対応はちょっとどうなんだろうって思います。
そちらの非で呼び出されて来たのに待ち時間もかなり長いですし、そこは配慮してほしいんですけど。
もう絶対に容器を間違えたりとかしないでください。」
もうマシンガンです。止まりません笑
それでもスタッフさんは
「そうだったんですねー不安ですよねーすいません。」と軽い対応(オイ聞いてんのか笑)
でもずっとモヤモヤしてたものが、ここで全部吐き出すことができてすっきりしました!笑
もちろん産婦人科の結果も「陰性」でした!
余談ですが、出産後退院のときにアンケートがあったので、そこにも同じことをしっかり書いてやりましたよ!コメント欄からはみ出るくらいな!(←根に持つタイプ笑)
【最後に】
この「HIV偽陽性事件」からもう4年以上経ちますが、正直言うとあまり思い出したくないけど忘れられない出来事です。
ネットでどの記事を見ても「冷静になりましょう」「まずは落ち着いて」と書いてあると思いますが、冷静になんてなれないです!
これは実際に「陽性です」と言われた人にしかわからない不安と恐怖です。
冷静にはなれないかもしれませんが、私はひたすら「大丈夫。大丈夫」と言い聞かせていました。
ただ、検査結果を待っている間は地獄です。
住んでいる地域に保健センターなどがあれば、HIV検査を受けられるところもあるので、可能であれば調べて早めに行くことをオススメします。
結婚、妊娠を考えている女性はパートナーと一緒にあらかじめ検査を受けておくのもアリだと思います!
採血から1時間以内に結果が出ますし、無料で検査することができますよ!
大体は1〜2週間に1回程度、平日の昼間に行われているところが多いようですが、中には土日にやっているところもあるようです。
日程が合わず保健センターに行けない方もいると思いますが、その場合お母さんにも赤ちゃんにもかなりのストレスがかかると思います。
そんなときは、なるべく検査のことは考えないように、好きな食べ物を食べたり、好きな映画を観たり、外に出るなどしてストレスを軽減させてほしいと思います。
私と同じように陽性判定が出て、
「こんな低い確率で陽性判定なんて自分だけじゃ....」と思ってる人は、あなただけじゃないですよ!私も仲間です!悲観的になりすぎないで再検査の結果が出るまで、なんとな元気出してくださいね!
この記事が少しでも参考になれば幸いです!
また、妊娠していない女性も男性でも、もしかしたら自分や家族が同じ立場になるかもしれません。
知っているのといないのとでは実際の立場になったとき気持ちが全然違うと思います。
全く無縁と思わず、「こんなこともあるんだなぁ」程度に思ってくれれば嬉しいです(^ν^)